ようこそ!絃楽器のイグチは、東京・代々木にあるマンドリン・ギターの専門店です。

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第25巻 新しい楽器を手に入れたら

私は楽器屋さんですから新しい楽器をよく見ています(当然ですが)。新しい楽器も時間とともに色んな変化をしてゆくんですよね。もしこれを読んでいるあなたがつい最近新品の楽器を買ったとしたら、今回の話題はあなたの為にいたしましょう。
毎年のことですが、春から夏にかけてと言うのは楽器を買う人が多いんですよ。(学生さんが多いです)自分の楽器を手に入れて気持ちも新たに練習に取り組む姿は美しいですねえ。私も若かりし頃を思い出します。しかし、「形あるものは永久ではない」という言葉を忘れてはいけません。勿論の事ながら楽器にもバッチリ当てはまります。マンドリンやギターも例外ではございませんよ。
そもそも新しい楽器と言うのはいったいどれくらいの寿命なのでしょうか。楽器の寿命(ここではマンドリンとギターに関して)を一概に決め付けることは出来ません。ただ、ギターよりマンドリンのほうが一般的には長持ちすると言われています。ギターはブリッジが表板に固定されていると言う構造上の問題があるようです。私が思いますに楽器の寿命はその持ち主の扱い方一つで長くもなるし短かくもなると思うのです。つまりどういうことかといいますと、大切に使えば長持ちしますし、雑に使えば短かくなるということです。本当に大事に使い続けたらあなたの孫の代あるいは曾孫まで使えるかもしれませんよ。(いや、ほんとに)さあ、何年もつかな?
ここで皆さんちょっと考えてみてください。新しい楽器というのは楽器という形になる前はただの板切れだったわけです。(以前も書いたことがある) と言うことはついさっきまでは音なんか出すことの出来ない所謂「木の板」なんですね。それが人の手によって楽器にさせられたと考えてみてください。曲げられたり引っ付けられたりして、楽器には弾かなくても色んな力が加わっています。ですからただの板切れにとってはそりゃあ大変なことなんです。
で、その力を上手く配分させて作るのが製作者の技術なんですが、実は大事なのはその後なんですねえ。新しいから大丈夫と言うことは決してないですし、そもそも新しい板というのは「活き」が良いのです。ですから伸び縮みが結構激しいのです。その伸び縮みの激しさによって状態が変わってしまうことも時々あります。これは新しい楽器の宿命でもありますので神経質になりすぎる必要はありませんが(これも以前書きましたねえ)普段のお手入れはきちんとやってくださいね。決して新しいからといって安心しきらないで下さい。
では夏に向かうにあたって大事なことを書いておきますね。なぜならこれを書いているのが6月だから。

* 湿気対策(楽器を湿気させない。さもいないと冬に大変なことになる)
* 弾いたあとは必ず拭く。
* 熱に注意(日差しが強くなるので直射日光にあてない。車に置きっぱなしはダメ)
* できれば専用のポリッシングオイルで時々磨く。

「お客様、楽器を手に入れられたら、ペット飼うほど植物育てるほど手間かけんでもいいですけど、その次くらいには面倒見たってください。お願いいたしますわ。そしたら自分の色に染まって好みの音になってくると思います。」
私ね、時々こんなことしゃべってます。
もし分からないことがあればいつでもイグチに聞いてください。
皆さんの大切な楽器がいつまでも良い音が出ますように・・・・。


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