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第32巻 イグチ的演奏会考

近年マンドリンオーケストラの数も随分増えたように思います。各地でコンサートが開催されていますね。
私がまだ若い頃(今でも若いと思っていますが)、演奏会を聴きに行ったときに気にしながら聴いていることがありました。それは、どれだけ上手な演奏ができているかな、どれだけ器用に弾いているかな、ということばかりでした。今から思えば、なんて馬鹿々々しいことを考えていたんだろうと思います。(いかに頭が悪かったかバレてしまいます。)
そんな時期を経て、あっち行ったりこっち行ったり、折れたり曲がったりして現在に至るわけですが、最近思いますのは一つの演奏会の中には色んなドラマや場面があり、実に面白いのであります。楽器を弾いている一人一人の音色、弾いている姿、表情などを聴きながら見ながらどんな音楽が目の前で展開されてゆくのか、そんなことを思いながらその場所にいるととても面白いのです。オーケストラのコンサートでしたら各奏者の表情や指揮者と奏者のやり取りなどがありますが、ソロのコンサートでしたらプレーヤーの息遣いや顔の表情、指の動きなど音だけでは分からない部分もたくさんあります。つまり、そのようなもの全てがその場、その時の音楽を創っている大事な要素になっていると思うのです。そして、創り出される音楽によってそのホール全体の空気が創られます。私は人を演奏会に誘うときに、「そこの空気を吸いに来て下さい」とよく言います。プレーヤーはいわばそういう空気の創作者だと思っています。その空気が居心地の良いものであれば良い演奏会であったと言えると思うのですが、そうでなかった場合はちょっと残念です。それは決して「上手」とか「器用」と言うものだけでは創ることができないのですね。
私も楽器屋さんをやる傍ら演奏活動もしておりますが、果たしてどんな空気を創作しているのかと考えるときがあります。ひょっとして独りよがりのわがままな演奏で空気を悪くしているのではないかと思った時もありました。弾きながらいろいろと想いをめぐらせている時もあります。どんなことを考えているのでしょう?。この続きは次回のお楽しみといたしましょうか。
これから演奏会を迎える皆さん、既に終わっちゃった皆さんも、皆さんの音楽で美味しい空気をたくさん創ってください。お客さんはそんな空気を欲しがっています。


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