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第44巻 マンドロンチェロという楽器

今更なんだ?と言う表題でありますが、別に難しいことを書くつもりは毛頭ありません。と言いますか、書けません。では、始めます。
いやー、最近マンドロンチェロ(以後セロと書きます)が流行ってますねえ!!!
すみません、大げさでした。でも、マンドリン界では、自分のセロを持つ人が非常に増えていると思います。少し前では考えられないことです。大体においてクラブ楽器とかで済ませる場合が多かったのですが、いろんな意味で環境が変わってきたのでしょうか、俄然注目を浴びる楽器となりました。このようになってきた要因を私の思うところで書いてみましょう。
まず、セロと言う中低音の魅力が再認識されるようになってきたことです。セロの音域と言うのは生身の人間の声に最も近いと言われているようです。弾いていて心地よい気持ちになるのでしょうね。それに伴って、楽器も進化してきていると思います。そもそもセロと言う楽器はマンドリン属の中では最も後発の楽器なんですね。従いまして、そのほかの楽器に比べて完成度が低いと言うことがいえます。現在はラウンドのセロが主流になってきましたが、かつてはフラットが多くラウンドでも小さいものが多かったのです。そうすると、どうしても音が軽くなったり、伸びが無くなったりします。その様な物は楽器としても問題があると思います。現在はそこから改良が繰り返されてきています。恐らくマンドリン属の中では最も進化の度合いが高い楽器だと思います。
それともうひとつ、セロを重要視する楽曲、あるいは編曲者がたくさん出てきたということです。これは非常に影響力が大きいと思います。そもそも日本では、合奏を中心にマンドリンの歴史が積み重ねられてきました。当然その中ではセロの役割があるわけですが、言い方は悪くなりますが、かつては付け足しのような存在といっても過言ではなかったのです。それが現在では1STパート顔負けの旋律を受け持つ曲が増えてきたのですね。
ついでに申しますと、これからは更にセロの役割は重要になってくると思われます。従って、マンドラの役割も変わってくるのではないかと思っています。つまり、ヴァイオリンのオーケストラではヴィオラが入っているように、マンドリンオーケストラでもその音域が重要視されてくるのではないかと。マンドラに置き換えて言いますと、マンドラコントラ
ルトの音域が重要と言うことですね。そうすると、楽器もその音域がよく出るものが求められてくるようになるのかもしれません。
すこし横道にそれましたが、セロは現在も進化を続けております。私個人的には30年近くセロを弾いてきましたが、まだまだ可能性を感じております。今後もよりよい楽器を造るために精進していきたいと思う今日この頃です・・・。
以上、まじめに終わってみました。


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