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第17巻 あなたの楽器も銘器になれる


 楽器の事について今までいろいろ書いてきましたが(あまり役に立たない事もあると思いますが)、最近感じている事を書いてみたいと思います。そもそも楽器と言うのは色んな角度から見る事が出来ると思います。ですからその価値や評価は人によって様々ですね。私は楽器屋をやっていますので価格に応じてお客様に説明しています。高い楽器と安い楽器の違いは材料や造り、仕上げに有りますが、それだけでなく良い音に繋がるかどうかという要素を持っているかですね。所謂楽器と言う形をした「物」を人に説明する時はこういった事を話す訳ですが、もう一つ「誰が製作したのか」と言う事も有ります。所謂ブランドです。正直言いましてこの部分もかなり大きな要素なんです。押し並べて言うと名工いの作った高価な楽器は銘器と言えるのでしょうね。改めて申し上げておきますが、私は商いをしている人間ですので、こういう事を書きますと「商売根性丸出し」とか、「商売人の言う事は信じられん」と言われそうですが、過去の何百本という楽器を思い起こしてみると案外当てはまっているんですよ。
ところで、実はここからが大事なんですが、良い楽器と悪い楽器の違いについて特に感じる事が有るんです。それは「良い状態か悪い状態か」なんです。いかに名工の造った楽器であっても、その楽器にとって、あるいはその楽器の持ち主にとって適切な調整が為されているかどうかで随分違います。楽器の調整と言うのはとても大事で、チョットした事で良くなる事も多いのです。それだけ楽器と言うのはデリケートに出来ているものなのです。
まだ楽器を始めたばかりの方も、ベテランの方もそれぞれ楽器に対する思い入れがあると思います。どんなに安い楽器でもこれは最初に手に入れたものだからとか、この楽器で学生時代の最後の演奏をしたとか色んな思い出が有るのでしょうね。そうすると愛着も湧いてくるし大切に扱う事も出来るのでしょうね。奏者であろうが製作者であろうが、実はそんな情熱や想いから銘器と言うのは生まれてくるのかもしれません。
さあ、皆さんの使っている楽器を見て下さい。果たして良い楽器になっていますか、それとも悪い楽器でしょうか。そうやって見てみると楽器だけでなく音楽に対する気持ちも変わってくるかもしれないですね。


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