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第38巻 愛すれば響く

今回は私らしからぬ綺麗なお題ですな。なんとなく雰囲気で言葉が理解できそうでありますが、今回私が言いたいのは「楽器を愛すれば響くようになる」ということであります。
「よく弾いていれば楽器は鳴るようになりますよ」と私のような楽器屋さんから言われたことはありませんでしょうか。私はこれはなんだか中途半端な言い方といいますか、分かったような分からんような言い方に聞こえるんですよね。実際に物理的に正しいかどうかは証明されていないとは思いますが(されていたらすみません)、この言葉からは「よく弾く」と「楽器の音が大きくなる」という印象を受けます。しかし本当は、楽器に変化が出るのではなく、弾いている人に変化が出るのですね。つまり、その楽器の一番音の出しやすいポイントや、余計な力を抜いて音を出すコツをつかむということだと思うのです。ですからよく弾けば、「良く鳴るようになる」という結果として受け止めることができるわけです。ではこれを私なりにもう少し深く見て行きましょう。
皆さんが楽器をよく弾くというのは嫌々弾くという事ではありませんよね。(いや、わかりませんが)やはり好きで弾くというのが基本だと思うのです。ところで、「好き」と言うのも「曲を弾くことが好きだ」というだけではなく、自分が弾いている楽器をもっと好きになってみてはいかがでしょうか。つまりその楽器を「うわーっ、いい音するなあ」っていう愛の目で見てみるんです。「そんなんで何か変わるの?」と言われてしまうかもしれませんが、意外にこの「愛」というメンタルな力は、楽器を美しく響かせるための影響力が大きいのではないでしょうか。やはり音楽ですから、奏者の愛の持ち方によって音が変化したり、その楽器の最大限の力を引き出せたりすると思うのです。(その上での好き嫌いは自由に言って良いと思いますよ。)
それから、楽器を愛することで、もう一点あります。それはチョット手間がかかるけど、適切なメンテナンスをすることです。メンテナンスを十分にして楽器を良い状態に保てば、その結果として当然良い音の出せる楽器になっていくと思うのです。「楽器なんか変わらない」と思ってしまえば元も子もありません。逆に、どんなに素晴らしいブランドで手作りで値段の高い楽器でも、メンテナンス次第でダメになってしまう可能性だって大きいのです。
最近私は楽器を見ると、「この楽器は愛されているか、愛されていないか」が少し分かるようになったと思っています。偉そうないい方に聞こえるかもしれませんが、持ち主のちょっとした気持ち一つで結構変わるものだと思いますよ。さあ、貴方の楽器は愛されて、そして響いてますか?それとも・・・。


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