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第52巻 ナット・フレット・ブリッジ その1

ナット・フレット・ブリッジとは楽器の部品の名称ですが、まずはそれぞれについて、説明いたします。

ナットとはネックの先端にある白い(大体は白い)弦の糸枕です。フレットとは指板に打ち込んである金属です。ブリッジ(駒ともいう)とは、表板に置いてある(ギターの場合は貼ってある)弦の糸枕です。これらは普段あまり注目されることがない部品たちです。楽器を見るときはどうしても表板やデザイン、ヘッドの形などに注目していまいますので仕方ないことなのですが、実はナット・フレット・ブリッジの3部品こそが楽器の重要な鍵を握っていることもあるのです。では、マンドリンにおける、この3部品の役割を解説してみましょう。

まず、ナットですが、これは大体は牛骨でできていることが多く、他にはプラスチックや象牙製のものもあります。ナットの役割は単なる糸枕というだけではなく、弦の張り具合や音の良しあしにも関係しています。弦を張り替え弾いていると「音の調子が狂いやすい」という経験はないでしょうか?あるいは音がびびったり、曇った音になったりということはないでしょうか?これはナットの溝の「弦との接点」が悪いために生じている現象であることが多いです。逆に言いますと接点の具合がよいと、とてもよい音質になります。このような接点の調子に関しては、楽器が高いか安いかにかかわらず、「すべての楽器は狂いが生じるものである」という点を知っておいていただければと思います。さて、接点不良の場合の処置としては溝をきれいにすることが必要なのですが「鉛筆の芯を塗る」という方法も効果があります。

次に、フレットです。これはご存知の通り、指板に打ち込んである線状の金属ですが、フレット楽器の場合は通常は平均律で打ち込んであります。フレットが打ち込んである良い点は、どこを押さえればどの音が出るか一目瞭然に分かることですが、逆に弱点は打ち位置がずれていたら簡単には修正ができないことです。
さて、フレットには大きく分けると2タイプあります。ひとつは「T字型」、もう一つは「板型」です。T字型はまさにTの形をしたもの(キノコのようでもある)で、その足の部分を指板に打ち込んでいきます。板型はかまぼこ板を縦に打ち込むようなイメージです。ですから金属が指板に少し出るように打ち込みますので、より技術が必要となるわけです。
どの型のフレットが使われているのかということや、打ち込み方の具合も音に影響してきます。また、総じて新しいフレットを打った場合は音が締まる傾向があります。フレット交換する場合などは、そういったことも知っておかれるとよいでしょう。

今回は長文になってきましたので、この続きは次回の雑談コーナーでお伝えしたいと思います。
つづく


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