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第53巻 ナット・フレット・ブリッジ その2

最後にブリッジです。ギターのブリッジは表板に貼り付けてありますが、マンドリン系は表板に置いてあるだけで、弦で押さえているという状態です。ブリッジは弦の振動を楽器のボディに伝達するという大変重要な役割があるので、まさに音に直接影響するといえます。 かつてイタリアのマンドリンの銘工たちは自分の楽器にあったブリッジを独自に開発し、その個性を発揮していました。楽器に個性があるようにブリッジにも個性があったのです。
では、どのようなブリッジが良いとされるのでしょうか。楽器の弦はそれぞれ太さが違います。当然張力も違うわけですが、できるだけそれぞれの弦の振動がボディに伝わりやすいことが良いわけです。低音弦になるほど太くなるので弦に張りを持たせてやらないとうまく振動しません。つまり、ブリッジを高めにして張りを作ることが必要となります。一方、高音弦は細いのでさほど高さが無くても張りは作れますし、高く設定してしまうと音程の高いポジションが大変弾きにくくなるということになります。従って、低音から高音にかけて緩やかな傾斜がかかるというのが自然です。
もう一つ大事なことが、音程を合わせるということです。通常ピッチをあわせるといいますが、ブリッジをどの位置に置くと良い音程が得られるかということです。いくら高価な楽器でも、音程が合わないのでは困ります。ですから、ブリッジの位置決めは重要といえます。さらに細かいことを言えば、ブリッジの溝の位置取りです。これはそれぞれの弦の相関関係で、溝の位置をどこにすればよいかが決まります。簡単に言えば、溝のついている牛骨の形です。これは専門家に作ってもらわないといけませんので、気になる方はいつでも相談にいらしてください。 ずいぶん長文になりましたが、ナット、フレット、ブリッジはそれぞれそんなに目立った存在ではありませんし消耗部品ですが、実は音に影響している部分が多いということです。別の言い方をしますとこの部分がきちんとしていれば楽器として十分使用可能なことが多いのも事実です。年に1度くらい気にしてみると快適に弾けるのではないかと思います。


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