13 楽器は消耗品?

私が中・高校生の時ですが、コンサートが近づいてくるとだんだん気持ちが高ぶってくるのを感じました。前日の最後の練習の時は今回が最後と言う上級生のありがたいお言葉を皆で聴いて終わるのでした。(私も最後に何か喋ったと思います。)その後は後輩達を連れて前夜祭と称して餃子、ラーメン、チャーハンを腹一杯食べるのでした。(私は男子校でしたので)皆さんには
どんな伝統がありますか?いずれにしても緊張と嬉しさとニンニクの臭いを一杯にして会場へ向かったのです。会場、受付けの準備を整えリハーサルが始まります。客席にはOBや関係者の人々がちらほら来られます。その光景を見て「やっぱり今日は本番なんやなあ」と思いました。リハーサル中はいたって冷静にしていたと思います。普段の練習場所と違い回りの音が良く聞こえてきません。ですから出来る限りその会場に慣れるように他のパートの音を聴くようにしていましたね。皆さんもそんな経験があると思います。
そしてリハーサルが終わると大体いつも「こんなんで本番大丈夫か」っと言った感じで少し不安が出てきます。そしてより一層緊張感が増すのです。
開演の30分前になり本番のチューニングをしていると、いよいよその緊張は最高潮に達します。「人」と言う字を書いて飲んでも何の効果もありません。そして舞台の袖で待機している時は決まって生理現象をもよおすのです。そうトイレです。しかし慌ててももう遅い。私は意を決して舞台へ向かったのでした。開演して曲が始まるともう頭の中はスパーク、スパーク。リハーサル中の冷静さはどこへいったのでしょうか。あの緊張感も吹っ飛んでしまうくらい輝いてました。2部の途中くらいになりようやく落ち着きを取り戻してきました。指揮を見ると指揮者は汗だくになって棒を振っています。「おい、そこ練習と違うぞ」と思っても曲はどんどん進んでいきます。
いよいよ終曲になるとこれが今年の集大成といった感じで全員の熱気やら気合やらがどんどん出てきます。最後の一音まで全身全霊で弾き、開演から2時間余りのコンサートが終わりました。本番の時間ってあっという間なんですよね。こんなに長い時間かけて練習したのにって思いますけど、すぐ終わってしまいます。もっと弾きたいと思いましたね。楽屋では感極まって泣いている人もいますしね。(ちなみに私は良く笑っておりました)でもそれだけ一生懸命やってきたと言う事ですから大いに泣いていいと思いますね。その想い出は宝物ですよ。演奏会後には打ち上げをするのですが、それは皆様のご想像にお任せいたします。とにかくやんちゃな男子校生のやる事ですから。ハイ!ここで教訓。

1、リハーサルは冷静になれ。
2、普段から良く指揮を見よう。
3、本番30分前までにはトイレを済ませよう。
4、本番中スパークし過ぎてはいけない。
5、打ち上げはほどほどに。