34 そろそろソロでもいかが?

今回もシャレにもならないタイトルで始まりましたが、気持ちは大真面目のイグチでございます。
日本のマンドリン事情を一口で申しますと、オーケストラがメジャーで、ソロあるいはアンサンブルはマイナーといったイメージが定着しているように思います。

これは今に始まったことではなくかなり以前から(勿論戦前から)そういった風潮でした。このことにより戦後、国内では各クラブ、サークルの人数が増え大合奏が主流となりました。ここで一気にマンドリン合奏全盛時代を迎えるわけですね。(昭和30年ごろから40年代にかけて)
合奏が盛り上がるのは大変結構なことなのですが、その陰に隠れてしまったのか、ソロやアンサンブルといった活動が目立たなくなってしまいました。現在でもマンドリン界を見てみるとその傾向が強いのですが、それでも以前と比べるとかなり表に出るようになりましたね。

私の個人的な考えですが、マンドリンという楽器はその楽器の個性が出やすいのではないかと思います。そう考えると実は非常にソロ、アンサンブルに向いていると思うのです。また、ソロの練習は非常に合奏に通じるものがありますし、音の表現の仕方がデリケートになり多彩になると思います。

現在日本ではプロのマンドリンプレーヤーは増えてきていますが、他の楽器(例えばギター)などに比べるとまだまだ少ないのが現状です。もちろんただ多ければ良いと言うものではありませんし、やはり素晴らしい演奏と音楽を私達に聴かせてもらうことで演奏の機会は増えてゆくと思います。
私はリサイタルのお手伝いや企画を良くやるのですが、毎年その数は増えていっていると思います。
ソロの作品としてはカルロ・ムニエル、ラファエレ・カラーチェなどの作品が有名ですが、最近では日本やドイツでも作品が増えてきました。その中には今までとはチョット違う楽器の使い方をする曲もありますね。

イグチでは「イグチミュージックスクール」としてレッスンを行っていますが、すべてマンツーマンレッスンです。しかも全ての先生が現役バリバリのプレーヤーの方々です。したがってその特徴は生きた演奏感覚が養えることなのです。
といいましても別にプロ養成所じゃありませんので、堅苦しく考える必要はないのですが、もし今後ソロやアンサンブルをしたいとか、されることを考えている人がいるとしたら先生に付いて指導を仰がれることをお勧めいたします。
きっと素晴らしい音楽に出会えると思いますよ。